
横浜港大さん橋に着岸したノーティカ
2018年3月23日、あいにくのどんよりとした花曇りの日。桜は例年よりも早くぼちぼち咲き始めていました。大さん橋上にも桜の植え込みがしつらえられていました。
この日はマーシャル諸島船籍の「ノーティカ」が横浜港に入港する日。朝8時の入港だからとちょっと油断したのがいけなかった!筆者が到着した時には、すでにノーティカは入港済みでした。
マーシャル諸島船籍・ノーティカのスペックは?

ノーティカの中型でエレガントなボディー
では、マーシャル諸島船籍のノーティカとはどのようなスペックの船なのでしょうか?船籍はマーシャル諸島、従業員はヨーロッパ人、船内スタッフは世界各国からの人が多いこの船は、「オーシャニアクルーズ」という会社が運航しています。南アフリカとアジアを拠点としており、各寄港地では1泊するのが特徴です。
2000年就航(2014年改装)、総トン数30,277トン、乗客人数684人に対してスタッフ人数400人。ちょうど日本で言えば、飛鳥Ⅱくらいのスペックです。
オーシャニアクルーズのHPに行ってみると、最短では7日、最高では180日のクルーズの募集が載っていました。料金が7日で約20万強といいますから、豪華なほうです。
短いクルーズはそれくらいで、たいていが10日、14日、20日とロングクルーズが多い船です。今日の入港もアジア航路18泊(横浜~バンコク)の途中での入港です。
2000年に就航したノーティカですが、2014年に大改装を終え、豪華なチーク材のデッキ、カスタムストーンやタイルが設えられ、ステートルームやロビーなどはネオクラシック様式の調度品で彩られているとのことです。
ビデオの映像を見ても上品な内装なので、このノーティカはグレードの高い船なんだな、ということがわかります。
「ノーティカ」のレストランは?

丸窓がノスタルジックなヘッド部
こんなにグレードの高いノーティカですので、さぞかしドレスコードやレストランのしーティング時間も厳格に決められているんだろうな、と思いきや意外にもノーティカは食事時間は自由で4軒のレストラン、8軒のラウンジやバーを自由に使えるとのことです。
ステーキハウスの「ポログリル」のみ予約が必要ですが、あとのメインダイニングである「グランドダイニングルーム」、ビストロ風料理の「ザ・ビストロ」、イタリアンの「トスカーナ」、アフタヌーンティーが楽しめる「ホライズン」、海風を感じるデッキでカジュアルダイニングが嬉しい「テラス・カフェ」、陽気でカジュアルなアメリカン「ウエーブズ・グリル」はいずれも予約も不要です。
中でも本格的なスコーンとクロテッドクリーム、フィンガーサンドイッチが楽しめるアフタヌーンティーがある船は、英国船籍のダイヤモンド・プリンセスとこのノーティカくらいなのではないでしょうか?
いずれのレストランも、グレードの高い乗客の舌を満足させるべくとても工夫が凝らされている印象です。
「ノーティカ」の客室は?

テンダーボートとボーディングブリッヂ
では、ノーティカの客室を見てみましょう。
ノーティカの客室はオーナーズスイートからインサイドステートルームまで9種類。オーナーズスイートはなんと93㎡。バトラーはもちろん、優先乗船、荷物優先配達も当たり前です。無線インターネットやiPadの使用も無料。ブルガリのアメニティーやギフトセット。オセアニアクルーズのトートバッグや文房具の進呈。ランドリーや洋服プレス無料。
そして、ベッドにはとてもこだわっており、どの部屋カテゴリにも共通で、7ゾーンに分かれたマットレスを使用した、プレステージ トランキリティ ベッド、カモミールの香りを染み込ませた繊維を使用したピロートップクッション、手作りキルティングをあしらった敷物、と女子が夢中になりそうなベッド周りも嬉しいです。
一番下のカテゴリのインサイドステートルーム(内側)は窓がないながらもエレガントな15㎡の空間で、ソファやドレッサーもついた上品な内装が印象的です。船によっては、内側だと12㎡など狭いところもありますが、15㎡あるのは嬉しい限り。特にロングクルーズの船だとなおさらのことです。
「ノーティカ」のエンターテイメントは?

続々と下船してくるゲスト達
では、ノーティカの船上ではどんなエンターテイメントが行われているのでしょうか?
ノーティカでは、他の外国船と同様、厳しいオーディションをくぐり抜けたエンターティナーによるプロダクション・ショーが行われています。
長いクルーズが多いだけに演目も4種類。アバやママス・アンド・パパス、ビートルズなどの伝説の4人組をトリビュートした演目、ナタリー・コール、フランク・シナトラなど伝説的アメリカ人アーティストの曲を聞かせるショー、モータウンやR&Bなどのアーティストへのトリビュートショー、そして、ダンス音楽へのトリビュート・ショーです。
これだけでも価値が高いのに、船内では四重管弦楽やダンス参加なども楽しめます。
スポーツデッキではシャッフルボードやジャグジー、プール、パットゴルフなど、上品なエンターテイメントが楽しめます。ファミリーが集う大型船とは一味違った大人のエンターテイメントが満載です。
「ノーティカ」でのスパは?

なぜか数人乗りの可愛い赤いボートが!
ノーティカのスパでは、ヨガやピラティス、ストレッチをはじめ、筋力トレーニングなど24以上の無料クラスがあります。また、マッサージではタイマッサージやオーガニックなマッサージがあるのが魅力。意外なことにアキュパンクチャー(鍼)もあります。また、タラソプールも完備されています。

オーシャニアクルーズの「O」の文字がユニーク
Canyon Ranch SpaClubというアメリカ・アリゾナ州に1号店があるスパの監修のもと、フィットネスクラスだけでなく、健康的なスパ・キュイジーヌの提案があるのも嬉しい!ノーティカに乗ってすっかり健康になって帰る感じですね。
「飛鳥Ⅱ」が数時間遅れで入港!

ノーティカに遅れること数時間で入港した飛鳥Ⅱ
ノーティカの入港に遅れること数時間、飛鳥Ⅱが入港してきました。
この日はなんと、「世界一周クルーズ」に出発する日だったようで、午後2時の出港時には、すごい人だったそうです。

おしりをこっちに向けて入港してくる飛鳥Ⅱ
ノーティカと反対側のバースに入港すると思いきや、なにやら謎のルートで航行しはじめました。どうやらぐるっと向きを変えてお尻から入港してくるようです。タグボートに船体を押してもらいながらゆっくりと向きを変える飛鳥Ⅱ。

ようやくノーティカと反対側のバースに入港した飛鳥Ⅱ
ゆっくりと後ろ向きで岸に近づきながら、大さん橋に着岸した飛鳥Ⅱ。大きさはノーティカよりも少し大きいくらいでした。

ノーティカ&飛鳥Ⅱの2ショット
まとめ
マーシャル船籍のノーティカと飛鳥Ⅱ。どちらも30,000トン級の中型船でグレードの高いサービスを誇る船ですね。
特にノーティカは、寄港地では必ず1泊し、じっくり観光できるのが魅力でロングクルーズが特徴となっている船です。さすがに乗客は白人系が多く、それもお年寄りが比較的多かった印象です。
しかし船内エンターテイメントでは、ヨガやピラティス、筋トレをはじめ、プロダクションショーや本格スパなどが完備され、レストランも自由に利用できるほか、グレードの高い食材を使い、本格的なアフタヌーンティーもあるのが魅力です。
一方の飛鳥Ⅱは、日本でおそらく一番有名な客船だと思うのですが、ノーティカに勝るとも劣らないサービスと料金です。レストランでも寄港地のものを使うなど「食」部分には特に力を入れているほか、和風エンターテイメントなども外国人にウケそうですが、なにぶんお値段の高さから外国人のフライ&クルーズ客を呼び込めるかが課題となっているようです。